やる気なし英雄譚 5- 漫画・無料試し読みなら、電子書籍ストア ブックライブ

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July 30, 2024, 7:26 pm
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  1. 魔法学院の劣等教師 ~異世界最強のやる気なし賢者は本気を出さない~ - 第4話:最強教師は駆け付ける | 小説投稿サイトのノベルバ

魔法学院の劣等教師 ~異世界最強のやる気なし賢者は本気を出さない~ - 第4話:最強教師は駆け付ける | 小説投稿サイトのノベルバ

リオン先生からは「くれぐれも他言しないでくれ」と釘を刺されてしまいました。 私はその後、先生と別れて一人です。もちろん、友達がいないから一人というわけではないので、くれぐれも勘違いしないようにっ! さて、どうしましょうか。 レイラルド先生のことは他言無用と言われましたが、このまま放っておくつもりはありません。リオン先生が無能だという発言に関しては一考の余地があるような気がしなくもないですが、教師としてあの口汚い言葉の数々は取り消していただきたく思います。 学院寮の前でそんなことを考えていた時でした。 「メリル君じゃないか。こんなところでどうしたんだい?」 「はっ……」 いつの間にか目の前にレイラルド先生がいました。どうやって見つけ出そうかと頭を捻っていましたが、まさか自分からノコノコやってくるとは予想していませんでした。 でも、私にとっても好都合です。見つける手間が省けました。 「これはこれは、レイラルド先生じゃないですか。私はあなたを探していたんです」 「へえ、僕を探していたのか。それで、どういった要件なんだい? 魔法学院の劣等教師 ~異世界最強のやる気なし賢者は本気を出さない~ - 第4話:最強教師は駆け付ける | 小説投稿サイトのノベルバ. クラスを変えて欲しいなら僕から学院長に直訴して……」 「違います。勘違いしないでください」 笑顔で取り繕っていますが、私はこの男の本性を知っています。ああ、本当に気持ち悪い。 「あなたにはリオン先生に言った口汚い言葉の数々の撤回および謝罪を要求します!」 「な、なんだと……? ……じゃなくて……それはどういうことなのかな、メリナ君?」 レイラルド先生は口角を片方だけ上げ、ヒクヒクさせています。思い当たることがったのでしょう。しかしまだ笑顔は崩しません。 「私聞いちゃったんです。職員室に向かうリオン先生がレイラルド先生から罵倒されるところを」 「……ふん、事実を言ったまでだがね。それがどうかしたのか?」 「あなたはリオン先生の何を知っていてあんな言葉を吐けるんですか! 私はそれを聞きたい」 レイラルド先生は私からそっと目を逸らし、軽く舌打ちしました。 「メリル君も見ていただろうが、あいつは弱い! 昨日のメルヴィン歓迎祭で初めて手合わせしたが、あの程度の実力で教師になろうというのがおこがましいのだよ。どうせコネか何かで入ったんだろうから根性を叩き直してやろうと思って可愛がってやってるんだよ」 眼鏡をクイっと上げて私を睨みます。私は彼の鋭い眼光に背筋が震えました。 「……メリル君があいつを師に選んだのは賄賂を渡されたと思ったんだが、どうやら違うようだ。直接話してわかったよ」 「賄賂なんて貰ってません!」 レイラルド先生は私の耳元で小さく囁きます。 「あの男にたぶらかされたんだろう?

君みたいな年齢の女の子にはよくあることだ。世間を知らないガキは身近な大人の男に惚れる。おおかた歓迎祭の後に 誑 たら し込まれたんだろう?」 リオン先生を罵倒していた時と同じ、意地の悪い笑みを私に向けてきました。何かを想像しているのか、舐めるように私の身体を視姦してきます。 「そ、その発言はリオン先生への侮辱であると同時に、私へのハラスメントだと理解しているんですか?」 「ハラスメントだとして、誰が証人になるんだ? 証拠もなしに尊敬すべき存在である教師を悪者にしないでもらいたいものだね」 「……まさか、ここまでのゲスだとは思いませんでした。そちらがその気なら、こちらも考えがあります」 私は左を強く握りしめると同時に、右手の人差し指をレイラルド先生に向けます。人に指を指すのは失礼に当たりますが、レイラルド先生になら失礼には当たりません。 「メリル・マウリエロの名をもって決闘を申し込みます。あなたが負ければリオン先生への侮辱の撤回及び謝罪を要求します」 「グハハ! 生徒が教師に決闘を申し込むだと? 前代未聞じゃないか!」 レイラルド先生は愉快そうに笑った後、しばらく無言になりました。 そして、 「いいだろう受けてやるよ。ただし貴様が二つ要求したように、俺からも二つ要求させてもらう」 「……聞きましょう」 「一つ目は貴様を俺のクラスに転入させる」 予想通りの要求です。レイラルド先生はリオン先生に私のことで難癖をつけていましたから、自分のクラスに引き込みたいという思いはあったのでしょう。 「そして二つ目だが……メリル、お前俺の女になれ」 「……は?」 私は言葉を疑いました。 今まで口論していた相手に交際を要求するなんて信じられません。頭のネジが何本かぶっ飛んでいるんじゃないでしょうか。……いえ、もとより刺さっていないのかもしれませんね。 「どうした? 怖気づいたか! そうだよなぁ? お前には愛しのリオン先生がいるもんなあ! ははっ受けれねえよなあ!」 「それでいいです」 「あ″?」 「その条件で構わないと言っています。……あなたが負けるのは明白なんですからどんな下劣な条件でも構いません」 私の答えを聞くやいなや、レイラルド先生は少量のよだれを垂らして機嫌が良くなりました。 「へっ、物分かりがいいじゃねえか。へへっ、お前が俺のものになるとはな……ぐへへ!」 「……あなたと話している時間が私の人生の中で一番無駄です。早く決闘場に向かいましょう」 ◇ 決闘は第一決闘場で行うことになりました。 昨日のメルヴィン歓迎祭で使われた、大きなステージです。周りには全校生徒が座れるほど大規模な観客席があります。放課後は自由に使うことができますが、決闘でこの場所を使う者はほとんどいないそうです。 そんな場所で決闘をするということで、 観客 ギャラリー もいつの間にかたくさん集まっていました。 どうやら決闘ではなく模擬戦をやると噂されているようです。あまり人に見せたいものではありませんが、見たいというなら止めません。このゲス教師に赤っ恥をかかせてやらなくては!