摂食障害 入院期間

伊勢 船江 温泉 みたす の 湯
July 6, 2024, 4:57 am

Q. 摂食障害はどんな病気ですか? ▼ A. 食事の量や食べ方など、食事に関連した行動の異常がみられ、体重や体型のとらえ方などを中心に、心と体の両方に影響が及ぶ病気をまとめて摂食障害と呼びます。 摂食障害では、必要な量の食事を食べられない、自分ではコントロールできずに食べ過ぎる、いったん飲み込んだ食べ物を意図的に吐いてしまうなど、患者さんによってさまざまな症状があります。症状の内容によって、摂食障害は細かく分類されます。代表的な病気に神経性やせ症、神経性過食症があります(それぞれの病気の詳しい説明は「 摂食障害はどんな病気? 」を参照してください)。 摂食障害の患者さんでは、うつ病や不安症、強迫症などその他の心の病気を伴うことが少なくありません。また、低栄養や繰り返す嘔吐や下痢などのために体にも異常がみられるようになることがあります。 摂食障害は治ることが期待できる病気です。しかしながら、重症化してしまうと命にかかわることがあります。早期に適切な治療を受けることが望ましいといえるでしょう。 Q. 摂食障害にはどのような治療がありますか? ▼ A.

病院の何科に行けばよいですか? ▼ A. 摂食障害の治療を担当する診療科は主に精神科や心療内科、小児の場合は小児科や児童精神科です。しかし、これらの診療科であっても摂食障害に十分対応できないところは少なくありません。病院のホームページで確認するか、電話で問い合わせてから受診されることをお勧めします。地域の大きな病院・大学病院や精神保健福祉センターが摂食障害を相談できる病院の情報を持っている場合もありますので、問い合わせてみるのも一つの方法です。 摂食障害ではないかと思ってもはっきり分からない場合は、まず内科や小児科で相談し、もしそうなら治療している病院を紹介してもらうとよいでしょう。ぐったりしている、意識がないなど生命や身体的な危機がある場合は急いで救急救命センターを受診してください。自殺企図や自傷などの危険な行動がある場合は精神科の救急外来を受診するのがよいでしょう。 現在のところ日本には、摂食障害だけを専門とする治療施設は一か所もなく、摂食障害の診療を公表している施設も多くはありません。どこに相談したらよいかわからない、受診しても断られた、というつらい経験をされた患者さんやご家族は多いことでしょう。摂食障害を治療する医師や医療スタッフ、病院がとても不足していて、希望しても治療が受けられない患者さんが多いのです。 現在、このような摂食障害に対応する医師や施設の不足を解決していくための事業や研究が進められています。

Int J Eat Disord 43: 195-204, 2010. 2) 中井義勝, 他. 摂食障害の転帰調査. 精神医学 46: 481-486, 2004. Q. どこからが摂食障害と言えるのですか?ダイエットをしている人はたくさんいますし、大食いの人ややけ食いをする人はたくさんいると思いますが・・・。 ▼ A. ダイエットをする人は多いですが、「普通」のダイエットと神経性やせ症との違いは、「体重を減らす」ということが意識の大部分を占めているかどうか、そして、やめようと思ったらやめられるかどうかです。神経性やせ症の患者さんは、「朝食の時、予定より一口パンを多く食べてしまったがやめておくべきだった」というような思いを一日中抱えて、他のことに集中できなくなるようなことがしばしばあります。体重が前日より100g増えていると憂うつになって出社できなくなったりもします。また、神経性やせ症の場合は、周囲からもう少し食べるように言われても食べ方をなかなか変えられません。このように、食が生活に及ぼす影響が大きい場合は神経性やせ症の可能性が高いといえます。 神経性過食症の場合、過食が始まると「コントロールできない感覚」が強く、自分では止められずに強い苦痛を味わいます。これが大食いとの違いです。たまにやけ食いをするという人はそれが気分転換になっていることが多く、罪悪感にとらわれたり、食べた後の体型を気にして絶食したり嘔吐したりすることはまれです。しかし、神経性過食症では、過食の頻度が多く、過食後の自己嫌悪感も強く、体重を減らす行動を常に伴うのが特徴です。 Q. 治したい気持ちが起こりませんが・・・ ▼ A. 治したい気持ちが起こらないのはどこから来るのかを考えてみたいと思います。 摂食障害の方の多くには二つの自分があるともいわれています。すなわち、病気の自分と健康な自分です。「治したい気持ちが起こらない」というのは、もしかすると病気の自分がそのように言わせているのかもしれません。あなたの病気の自分、つまりやせたい自分や摂食障害のままでいたい気持ちの方が大きくて、治したい気持ちにならないのかもしれません。 その一方で健康でいたい自分、治していきたい自分はありませんか?これが健康な自分です。 摂食障害という病気は自分自身が気づかないところで、重大な身体の問題が生じていることがあります。病気の自分に巻き込まれず健康な自分に耳を傾け、治療者や家族と協力して治していくことが大切です。 Q.

患者さんは苦しんでいます。 体重をうまくコントロールして低体重を維持できている時、表面上は情緒が安定していて「何も困っていることは無い」と言う患者さんが多く存在します。そういう患者さんの場合、心配して病院に連れて行くと逆に情緒不安定となり、病院にさえ行かなければ安定しているように見えます。しかし、その内面は低い自己評価に苦しんでいます。自殺で亡くなる患者さんが多いのです。 2. 悪者探しをしないで下さい。 摂食障害は、食行動異常を生じやすい体質の方が、その生育歴の中で自己評価が傷つき、生きていく自信を失っている(逆に自信を得ようと無理をしていてそれが限界に達している)状態で発症すると考えられます。これが原因とか、この人が悪いのではと考えることは無益です。主治医やその他医療スタッフと家族が協力体制を維持して、どうサポートしていけば良いか考えることが大事です。 3. ちょっと入院したら治る病気ではありません。 回復には時間がかかります。私は最低3年の時間を下さいと言うことが多いです。なかなか進展しない状態が続くこともあります。入院期間が2~3ヶ月以上になることが多く、何度も入院することが必要となる方もおられます。患者さん自身、自分がなかなか楽になれないことに焦っています。患者さんの言動に一喜一憂せず、月単位・年単位の視点で良くなった点を探してあげましょう。 4. 本人が受診を拒否したら、家族だけでも相談を。 患者さんは"低体重状態"という安住の地を奪われる不安から激しく抵抗して、時に主治医や医療機関への不信・不満を口にして通院を拒否したりします。そんな時はご家族だけでも相談に来て下さい。医療機関との関係が切れると袋小路です。ご家族だけでも医療機関とのつながりを保って頂ければ、ご家族の日々の関わりへの助言を行えますし、数年後きちんとした治療につながるケースも多いのです。

体格指数(Body mass index: BMI)という尺度が国際的には一般的です。 BMIは体重(kg)/身長(m) 2 で計算される値で22 kg/m 2 が標準値です。 身長158 cmの人であれば、標準体重は1. 58×1. 58×22となり、54. 9 kgとなります(以下すべての計算は小数点第二位を四捨五入して表記)。 また、 国際保健機関(WHO) は成人の正常下限をBMI 18. 5 kg/m 2 としています。1. 58×18. 5となり、46. 2 kgが正常下限の体重と言うことになります。 ただ、日本人は欧米人に比べて小柄であるため、もう少し低めであるという議論も存在しています。それをBMI 17. 5 ~ 18 kg/m 2 程度と考えても、日本人の場合でも少なくとも43. 7 ~ 44. 9 kg未満は注意が必要でしょう。 また、我が国では以下のような低体重時の活動制限の指針が設けられています。 標準体重 身体状況 活動制限 55%未満 内科的合併症の頻度が高い 入院による栄養療法の絶対適応 55~65% 最低限の日常生活にも支障がある 入院による栄養療法が適切 65~70% 軽労作の日常生活にも支障がある 自宅療養が望ましい 70~75% 軽労作の日常生活は可能 制限つき就学・就労の許可 75%以上 通常の日常生活は可能 就学・就労の許可 難病情報センターホームページより 標準体重の75% (BMI 16. 5 kg/m 2 に相当)未満は成長障害を生じ、骨粗鬆症を進行させますので、日常生活に制限が必要とされています。つまり、体育・運動系の部活や肉体的負担の大きい労働は禁止という制限付きの就学・就労許可ということになります。神経性やせ症の患者さんは過活動の方が多くて、周囲が止めないと登山をしたり、マラソンをしたり平気でしますので注意が必要です。 知っておいてほしい摂食障害の特徴 1. 生命の危険のある病気です。 神経性やせ症の患者さんの死亡率は一般人口の5~10倍。 神経性過食症の患者さんの死亡率は一般人口を2~4倍。 ① 身体的な危険 特に深刻な低体重状態では死亡率が一般人口の約30倍。 極端な絶食の継続や急激な体重減少、過度の排出行為、絶食後の急激な栄養摂取なども危険です。 ② 精神的な危険 神経性やせ症の患者さんの自殺率は一般人口の約31倍。 神経性過食症の自殺率は一般人口の約7倍。 2.