自己免疫性肝炎の原因と症状——自覚症状がない場合も | メディカルノート

千 と 千尋 の 神隠し 白い 神様
July 31, 2024, 3:26 am

自己免疫性肝炎 は難治性の肝疾患のひとつで、肝臓をターゲットに免疫が攻撃を行います。薬がよく効くため早期の治療開始が重要ですが、自覚症状がないことも多く診断時には進行した状態で発見されることも少なくありません。福岡山王病院で難病治療に取り組む石橋大海先生に、自己免疫性肝炎の原因や症状についてお話を伺いました。 自己免疫性肝炎の原因とは? 原因は不明ですが、発症の起点あるいは進展には自己免疫が関与していると推測されています その理由として挙げられるのは、 自己免疫性肝炎 では抗核抗体が陽性であることやγグロブリンが高値であること、さらには慢性甲状腺炎や 関節リウマチ 、 シェーグレン症候群 など他の 自己免疫疾患 を合併していることに加えて、ステロイドが非常に有効だということです。 遺伝的素因と環境要因 特に日本人では、症例のうちおよそ60%の方に白血球の型のひとつであるHLAのDR4陽性がみられるため、何らかの遺伝的素因が関与していると考えられています。ただし、明確な原因遺伝子の確定はされておらず、DR4の陽性が多いとはいっても、全ての患者さんがそうであるわけではないため、自己免疫性肝炎は遺伝的な素因(遺伝要因)があって、それに何らかの誘因(環境要因)が加わって発症するものと考えられます。 自己免疫性肝炎は、肝細胞そのものが攻撃対象であることはわかっているものの、より詳しい分子レベルにおけるターゲットが判明しているわけではありません。そこで現在、網羅的な遺伝子解析による方法で、原因となる分子をつきとめる取り組みが進められているところです。 自己免疫性肝炎の症状とは? 全身の倦怠感(つかれ)や易疲労感、 食欲不振 など、一般的な 肝炎 の症状と何ら変わることはありません。肝障害が著明な場合は黄疸などの症状が現れることもあります。 自覚症状のない場合もある 一方、自覚症状をともなわずに健康診断などで偶然に肝障害を指摘されることも少なくありません。慢性的に経過する無症候性タイプの肝炎で、血液検査において肝細胞の障害を示す AST ( GOT )やALT(GPT)の値が上昇することで発見されます。 B型肝炎 や C型肝炎 も同様ですが、「肝臓は沈黙の臓器」といわれるように、無症候のまま進行する状況が自己免疫性疾患でも同様に起こります。高齢者などで長期にわたって気づかないまま 肝硬変 に進行してしまい、診断時から浮腫や腹水といった肝硬変にともなう症状がみられることもあるのです。 自己免疫性肝炎はどのように進行していくか?

【日本の創薬技術と世界】第2回 自己免疫疾患はなぜ起こる|薬事日報ウェブサイト

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A.ほとんどの自己免疫疾患は、潜在的に発症するので自覚症状がありません。自覚症状が出始めるのは、慢性的に経過しているときです。発熱や脱力感・めまい・関節の炎症などが起きて、やっと異常に気づくことができます。発症してから時間がたっているほど、治りにくく、治療期間が長くなるのです。 Q.自己免疫疾患の中で最も多い病気とは? A.さまざまな病気がある中で、最もよく見られるのは関節リウマチです。関節リウマチで悩まされている患者数は年々増えており、治療法がすすんでいます。基本的な治療は、非ステロイド性抗炎症薬の使用です。 Q.薬物療法において副作用の危険性はあるのか? A.自己免疫疾患に使われる薬の中には、細菌やウイルスに対しても免疫機能抑制効果が発揮されるものがあります。薬の合併症や副作用として症状を起こすことがあるため、注意しておかなければなりません。自己免疫疾患の症状が悪化する恐れがあります。 Q.膠原病とは? A.全身の複数の臓器に炎症が起こり、機能障害をもたらす疾患群の総称です。自己免疫疾患・リウマチ性疾患・結合組織疾患が重なった位置に、膠原病があるとされています。 Q.妊娠中の発症リスクは? A.自己免疫疾患は女性に多く見られる病気です。特に、妊娠中・出産直後の女性がなりやすいといわれています。中でも、妊娠初めの3か月間と出産後の6か月間はリスクが最も高い時期といえるでしょう。疲れが出やすい時期となるため、ストレスを過剰に感じやすく、心と体に大きな負担がかかるのです。 まとめ 自己免疫疾患は全身性自己免疫疾患と臓器特異的疾患の2つにわけることができます。外部からやってくるウイルスや菌を排除するための免疫機能が、もとから備わっている組織や細胞にまで過剰に反応し、攻撃を加えてしまうのです。その結果、関節リウマチやギラン・バレー症候群などの病気になってしまいます。症状が進行してから自覚症状が現れるため、発見・治療が遅くなってしまうことがほとんどです。自己免疫疾患を改善するためにも、病院でしっかり検査をして原因を把握しましょう。病院での専門的な治療はもちろんのこと、セルフケアも必要です。免疫機能を高めるために、規則正しい生活を送ってください。きちんと意識していけば、症状も少しずつやわらぎます。