『葬送の仕事師たち』|感想・レビュー - 読書メーター

豆 柴 体高 測り 方
July 31, 2024, 5:08 am
立ち食いウォーズ!!
  1. 葬送の仕事師たち レビュー

葬送の仕事師たち レビュー

葬儀社社員、納棺師、遺体復元師、エンバーマー、火葬場職員ら、自らを語ることがあまりなかった職種の人たちに、仕事ぶりと「死」への思いを聞いたノンフィクションだ。 「2008年に両親を亡くしたんですが、真夜中に葬儀屋さんが来てくれたとき、後光が差して見えました。見送りを手伝ってもらえた感謝の念が大きかったんです。ところが、その後『葬式は、要らない』のブーム。ちょっと待って。その議論の前に、葬送の仕事をしている人たちのリアルな現場や思いを知ろうよと思ったのが、この本を書こうと思ったきっかけです」 狭い階段で遺体を背負って運ぶ葬儀屋、「おつかれさまでした」と話しかけながら遺体を洗う湯灌師、闘病でやせ細った顔をふくよかに整える復元師。登場する「遺体まわり」の人たちの誠心誠意の仕事ぶりが印象的だ。 「実は私も、見えないところで"手抜き"もありだろうと思っていたんですが、生半可な気持ちでは続かない仕事だと頭が下がることしきりでした。心臓が止まった瞬間から、遺体は腐り始める。でも、遺族に少しでもいいお別れをしてほしいと、手を尽くしてらっしゃる。遺体に科学的施術をし、生前に極めて近い顔かたちに戻すエンバーマーという資格職もあるんですよ」

作者:井上 理津子 出版社:新潮社 発売日:2015-04-17 母は十年かけて少しずつ死んでいった。体中の機能が失われていき、やがて口を動かす機能が失われた。口が動かなければ食べられない。ある日、母のからだに直接栄養剤を送り込むための胃瘻の手術をし、その帰りがけに、中華料理屋で母のいない食卓を囲んだ。母が二度と食べることのなかった、あの餃子の味を、私は忘れることができないだろう。 あれは生きながら母を弔う通夜だった。母が少しずつ死に向かう間、私は突き動かされるようにして、濃厚に死の匂いのする現場に入り、『 エンジェルフライト 』で国際霊柩を、『 紙つなげ!